「特別選考」は、免許を持たなくても、スポーツや芸術などの分野で特に秀でた技能・実績を条件に教員への道を開く、いわゆる「一芸」で話題になった選考方法。
基本的に書類選考と面接のみで、学力試験はない。
97年度試験では、岩手県(スポーツ)/埼玉県(同県本採用経験者、スポーツ・ 芸術)/東京都(英語)/新潟県(スポーツ・芸術)/香川県(社会人)/宮崎県(ス
ポーツ・芸術)の六教委が実施した。
この中で、特に注目されるのが香川県。同県は、「社会人特別選考試験」を97年度試験から新たに始め、免許を持たない社会人にも「教諭」の道を開いた。
その結果、 民間企業支社の48歳の課長が高校の公民で採用された。
これまでも「一芸」はあったが、一般の社会人を対象としたのは全国でも初めて。
また、1年ごとに採用する特別非常勤講師制度の「講師」とも違い、「教諭」への採用では例のない取り組み。
文部科学省によると、特別免許制度は3年以上〜10年以内の採用。
社会人が教壇に立つた めに、「特定の人が特定の学校で特定の教科を教える」ことがわかっているときに与えられる。
「一芸」もこの制度の活用に当たるが、香川県にように熱意のある人の応募を広く 求める新たな活用方法に対して、文部科学省も、「ここまで工夫しているのは香川県だけ。
人が見つかってからというのは待ちの姿勢。より熱意のある人を見つけるのにメリッ トがある」と評価している。
(教育新聞 第1858号) [1996/12/23] |